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なぜ私たちは、こんなにも疲れているのか? ― 現代人の隠れ疲労の正体

2025.11.20 UP

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なぜ私たちは、こんなにも疲れているのか? ― 現代人の隠れ疲労の正体

朝起きた瞬間から、もう疲れている。
ベッドから起き上がるまでに数分かかる。
人と会うのは嫌じゃないのに、どこか気が重い。
心がふっと曇る日が増えた。
どれも病気ではないし、誰かに説明できるほどの重症でもない。
けれど、確実に日常に影を落としている[名もなき疲れ]。

このように感じることがあれば、これは、決してあなただけではありません。いま多くの現代人が抱えている共通の感覚です。

仕事、家事、SNS、人間関係。どれも「大変そうに見えない」のに、気づけばエネルギーがすり減っている。がんばろうと思えばできる。でも、がんばる気力が湧いてこない。。
そんな「説明できない疲労感」が、いまや新しい時代の生活習慣病になりつつあります。

この感覚の正体は何なのか?
なぜこんなにも多くの人の心と体が、静かに限界に向かっているのか?

その答えは、とてもシンプルで、とても深いところにあります。

隠れ疲労の正体:自律神経・ホルモン・脳疲労という三角形のゆらぎ

疲れは「体力の消耗」だけで起きるものではありません。
むしろ、目に見えない部分(自律神経、ホルモン、脳の処理能力)が静かに摩耗していることの方が多いのです。

自律神経が休み方を忘れた状態

スマホの通知、メール、DM、人からの期待、締め切り。これらは一つひとつは小さく気づかないかも知れませんが、積み重なると自律神経には大きな負担になります。
交感神経(戦うモード)が常にオンの状態になると、本来、夜や休息時に働くはずの副交感神経がうまく立ち上がりません。
結果として、以下のような慢性的な緊張モードに入ります。

  • 眠りが浅い
  • 朝のだるさ
  • 肩こり・腰の張り
  • 呼吸が浅くなる

休んでいるのに回復しないのは、身体の「モード切り替え」がうまくいっていないことが考えられます。

ホルモンバランスは静かに乱れる

ストレスや睡眠不足は、ホルモンバランスに直結します。
特に女性は自律神経の影響を受けやすく、些細なストレスでも体調のゆらぎに現れます。

  • PMS・気分の波が強くなる
  • 肌荒れやむくみ
  • 冷え
  • 食欲の乱れ

「気のせい」と片づけられがちな変化も、実はホルモンからのSOSです。

スマホ社会がつくる脳疲労

私たちの脳は、言葉にならない膨大な情報を日々処理しています。SNS、動画、広告、ニュース、DM……などなど。
脳が処理するものが増えすぎると、前頭前野(判断・決断)が疲弊し、

  • 決められない
  • やる気が出ない
  • 誰とも話したくない
  • 小さなミスが増える
  • なぜか涙が出る

といった不調のサインが出てきます。
つまり、疲れているのは、意志が弱いからでも、努力が足りないからでもなく、あなたの心身のシステムが限界まで働いているからなのです。
ここに気づくことが、ウェルネスの入り口です。

整わないと何が起こる?見逃しがちなサイン

人は、驚くほどに限界までがんばれてしまう生き物です。
特に真面目で優しい人ほど、無理をしても表面上は普通に生活できてしまいます。
だからこそ、「小さなサイン」を見逃しがちです。
体と心がこんなサインを送っていたら一度立ち止まりましょう。

体が送っているサイン

  • 朝のむくみやだるさ
  • 頭の重さ、背中の張り
  • 呼吸の浅さ
  • 腸の不調(便秘・下痢・ガス)
  • 肌のくすみ

これらはすべて、自律神経やホルモンが乱れているときにあらわれる典型的な現象です。

心が送っているサイン

  • 自信がわかない
  • 何もないのに涙が出る
  • 人と話すのがしんどい
  • やる気が不安定
  • なんとなく心が落ち着かない

心のサインは、とても曖昧で、とても見えにくいですが、確実にあなたを守るために出ている信号です。

今日からできる「やさしい整え方」3つの習慣

体と心の小さなサインを見逃さないためにも、今日からできるやさしく整える習慣をはじめていきましょう。
「整える」というと、特別なスーパーフードや高額ケアを思い浮かべるかもしれません。
けれど本当に効果があるのは、日常のほんの小さな習慣です。

① 朝の「自律神経リセット呼吸」

朝、スマホを見る前に30秒でいいので、胸の中央に手を置き、ゆっくり呼吸をします。

吸う:4秒
止める:1秒
吐く:6秒

これだけで、交感神経が静まり、[私の一日]を自分自身に取り戻すスイッチが入ります。

② 白湯や温かいお茶で内臓を目覚めさせる

胃腸が温まると、副交感神経が立ち上がります。
巡りが良くなり、体の強張りがほぐれ、心が自然に落ち着き始めます。
朝の白湯は、最も簡単で、最も効果があるセルフケアのひとつです。

③ 夜の1分デジタルデトックス

寝る前のスマホは、脳を興奮させ、睡眠の質を下げることがわかっています。
寝る1時間前にはスマホを閉じる習慣がベストですが、難しい人は寝る直前だけでいいので、画面を閉じ、呼吸を感じる[1分の静かな時間]を作りましょう。
それだけで、睡眠の深さ、翌朝の目覚め、感情の安定が大きく変わってきます。

整えるとは、自分を変えることではなく「取り戻す」こと

ウェルネスの目的は、「新しい自分になること」ではありません。
頑張りすぎや緊張や過剰な刺激に覆われて、一時的に見えなくなっていた本来のあなたを取り戻すことです。
疲れてしまうのも、迷うのも、不安になるのも、弱さではなく人として自然な反応です。
むしろ、そのサインに気づけるあなたは、すでに一歩、整う方向に進んでいます。
このウェルネスコラムが、本来の自分に戻る旅の小さな灯りになりますように。

執筆者プロフィール

Momo | HIMIKO ORGANICS代表・Holistic Wellness & Life Design
2006年よりハワイ移住。統合栄養学・ホルモン・腸内環境ヘルス・心身のウェルネスの学びと人生経験をベースに、自然と科学を融合したセルフケアを提案。人が本来の輝きを取り戻す“再生のウェルネス”を発信中。プロフィールをもっとみる▶️

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