呼吸を整えるだけで、日常も体も変わる — 山本由伸投手に学ぶ呼吸の力
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朝、目覚めた瞬間、肩や首に軽い張りを感じる。
仕事や家事をこなすうちに、なんとなく体が重く、気分も沈みがち。
本当は不安なことや辛いことがあるのに、それでも周囲には「大丈夫」と平気なふりをしてしまう。
こうした日常に感じる静かな疲労は、呼吸の浅さから生じることがあります。
呼吸は誰もが毎日行うごく当たり前の行為ですが、浅く、早く、無意識に行うだけで、体と心は知らず知らずのうちに消耗していきます。
一方で、呼吸を意識し、深く整えることは、心と体を瞬時に落ち着かせ、パフォーマンスを最大化する力があります。
実際、ワールドシリーズでドジャースを優勝に導いた山本由伸投手も、チームメイトのキケ・ヘルナンデスが驚愕的に語るほど、特殊なストロー呼吸法を取り入れ、呼吸筋の強化と正しい呼吸の習慣化に取り組んでいると言われています。
このコラムでは、呼吸の力がもたらす心と体の変化と利点、今日からあなたが取り入れられる簡単な方法までお届けします。
INDEX
深呼吸がもたらす、心と体の驚くべき変化
深呼吸は単なるリラックス法ではありません。科学的にも、心身のパフォーマンス向上に直結することがわかっています。
酸素の供給量が増え、体が軽くなる
浅い肩呼吸では、肺の下部まで空気が届かず、酸素が十分に取り込めません。
深呼吸は肺全体を使い、酸素の供給効率を高めます。筋肉や脳への酸素供給が増えることで、疲れにくく、集中力も高まります。
自律神経のバランスを整え、心を落ち着かせる
現代人は交感神経が過剰に働きがちですが、深くゆったりとした呼吸は副交感神経を活性化し、心拍数や血圧を安定させます。
緊張やストレスでざわついた心も、深呼吸ひとつで静まることがあります。
姿勢や体幹への影響
深い呼吸は横隔膜や呼吸筋の活動を促進します。これにより、肩や首だけで呼吸する肩呼吸の癖が改善され、自然と姿勢が正され、体幹の安定感も高まります。
正しい呼吸は、体の偏りを修正し、効率的な動きと疲労軽減につながるのです。
山本由伸投手とB-TUBE — 呼吸をトレーニングするアイテム
山本投手は、矢田修コーチの指導のもと、B-TUBEというストロー状の器具を使った呼吸法を日々のルーティンに取り入れています。チームメイトのキケ・ヘルナンデスは、このストロー呼吸法トレーニング中の山本投手を笑わせようと試みるも、全く動じない驚異的な集中力について語っています。
B-TUBEの特徴と効果
- 呼吸筋を鍛える:横隔膜や肋間筋の機能を高めることで、より深く、安定した呼吸が可能になる。
- 肩呼吸の癖を矯正:浅い肩呼吸を改善し、正しい呼吸パターンへと導く。
- 体幹と姿勢の強化:正しい呼吸は体幹の安定感を向上させ、パフォーマンスの土台となる。
投手にとって体幹と呼吸の安定は、ピッチングの精度と持久力に直結します。B-TUBEによって呼吸筋が強化されることで、山本投手は「中0日」というありえない中での、圧巻のピッチを続けることができたのかもしれません。
呼吸を整えると、どんな日常の変化が起きるのか
呼吸法の恩恵は、プロアスリートだけに限りません。私たちの日常生活にも驚くべき変化をもたらします。私たちの生活においてどんな利点があるのか見ていきましょう。
疲れにくい体になる
深く整った呼吸は酸素効率を高め、筋肉や脳のパフォーマンスをサポートします。長時間の仕事や家事でも、体のだるさを感じにくくなります。
精神の安定と集中力の向上
呼吸を整えるだけで、自律神経のバランスが改善され、感情の波が穏やかになります。試験やプレゼン、会議など、集中力が必要な場面でも落ち着きを保つことが可能になります。
姿勢と体幹の改善
肩呼吸から腹式呼吸への切り替えは、姿勢の歪みや体の偏りを矯正します。自然と体幹が安定し、腰痛や肩こりの予防にもつながります。
睡眠の質が上がる
深呼吸は副交感神経を刺激するため、入眠がスムーズになり、深い睡眠を促します。翌朝の目覚めもすっきりと感じられるでしょう。
今日からできる簡単な呼吸法 — B-TUBEなしでもOK
深呼吸をするのに特別な道具はいりません。山本投手のようにB-TUBEがなくても、深呼吸を意識するだけで効果を実感できます。以下に、もっとも一般的で実践しやすい呼吸法を紹介します。今日から自分に合った呼吸法を毎日のルーティンに取り入れてみましょう。小さな習慣が大きな変化をもたらします。
腹式呼吸
いちばん一般的・効果を感じやすい基本の呼吸法
- 背筋を伸ばして座る
- 鼻からゆっくり吸い、お腹を膨らませる
- 口からゆっくり吐き、お腹をへこませる
- 1日5分でOK
横隔膜をしっかり動かして深く呼吸する方法。「リラックスをつかさどる副交感神経」を優位にし、緊張・不安・浅い呼吸をスーッと鎮めてくれる王道の呼吸法です。
ボックスブリージング
海外のアスリートや米海軍SEALも使う、集中力UPの呼吸法
- 4秒吸う
- 4秒止める
- 4秒吐く
- 4秒止める
吸う・止める・吐く・止めるを「正方形(BOX)」のように均等にくり返す方法。
呼吸のリズムが整うことで、心拍数が落ち着き、集中力が高まり、気持ちのブレが消えるのが特徴。
寝る前の1分リラックス呼吸
眠れない・浅い眠りの人が特に効果を感じやすい呼吸法
- 仰向けで横になる
- 目を閉じ、呼吸の感覚に集中
- 深く吸い、ゆっくり長く吐く
緊張で固まった神経を「睡眠モード」に切り替える呼吸。
1分〜数分で心拍や脳の活動がスッと落ち着き、入眠しやすくなり、深い睡眠につながるシンプルな方法です。
まとめ:呼吸を整えることは、日常とパフォーマンスの最強サポート
呼吸は私たちの体にとって最も自然で、最も強力なツールです。
山本由伸投手のB-TUBE呼吸法は、横隔膜や呼吸筋の機能を高め、体幹の安定とピッチング精度を支える一助となったでしょう。
私たちも、呼吸を意識することで、心身の疲れにくさ、集中力、姿勢の改善、睡眠の質向上といった恩恵を得ることができます。
今日から、まずは自分の呼吸を観察することから始めてみましょう。
肩に力が入っていないか、浅く呼吸していないか、ただ気づくだけでも体と心は少しずつ整い始めます。
呼吸を味方につけることは、あなた自身のパフォーマンスと日常を変える第一歩です。
山本投手のように、体幹と呼吸を整え、心も体も軽やかに。
今日からあなたも、呼吸の力を実感してみませんか?
執筆者プロフィール
Momo | HIMIKO ORGANICS代表・Holistic Wellness & Life Design
2006年よりハワイ移住。統合栄養学・ホルモン・腸内環境ヘルス・心身のウェルネスの学びと人生経験をベースに、自然と科学を融合したセルフケアを提案。人が本来の輝きを取り戻す“再生のウェルネス”を発信中。プロフィールをもっとみる▶️
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