合法でマリファナ体験?HHCとは?
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最近、一部の消費者の間で、HHC(ヘキサヒドロカンナビノール)といわれる製品が注目されています。
その理由のひとつは、HHCという化合物からTHC(向精神活性作用をもたらす化合物)を摂取したような体験を得られるとされていることです。
そのため、禁止されているTHCの感覚を味わいたい人から人気を集めています。
「合法でマリファナ(THC)を体験するような製品」や「合法でアルコールを飲んでいるような感覚を得る製品」と言えるのかもしれませんが、実態はどうなのでしょうか?
HHCとは?
HHCとは、大麻に自然に発生するマイナーなカンナビノイド(化合物)です。
天然では極微量にしか含まれていないため、市場に出回っているすべてのHHCは水素化プロセス(後述)によって作られています。
HHC製品はアメリカでもほんの一握りの業者しか販売しておらず、そのほとんどがべイプやグミです。
市場に出てきたばかりなので「新しく発見された化合物なのでは?」と思われがちですが、実は新しいものではありません。
HHCは1940年代に化学者アダムス・ロジャーによって発見されました。
アダムスは大麻草に含まれる主要な精神活性化合物「デルタ9 THC」に2つの水素分子を追加して、THCをHHCに変換しました(水素化プロセス)。
このプロセスはバターの代替品となるマーガリンの製造と同様です。
アダムスは大麻由来のTHCからHHCを合成しましたが、今日では「デルタ8 THC」などのヘンプ由来のカンナビノイドからも変換できると言われています。
HHCはハイになる?副作用は?
HHCはTHCではありませんが、十分に使用することでTHCと同様の効果や一連の副作用(不安、妄想、口渇、目の乾燥と赤目、空腹など)があると報告されています。
ただ、HHCの効果と副作用について私たちが知っていることは逸話的で、証明されたものはまだありません。
HHCは合成であるため、一部では望ましくない副作用を経験する可能性があるとも言われています。
HHCは薬物検査にひっかかる?
THCは薬物検査で検出されますが、HHCは検出されないではないかと考えられることがあります。
ある使用者はドラッグテストをした際に検出されなかったと報告していますが、その証拠は出されていません。
たとえHHCの形態がデルタ8 THC、デルタ9 THC、デルタ10 THCと異なっていたとしても、HHCが血液、尿、髪の毛に使用した形跡を残さないという確実な証拠はまだありません。
HHCのメリット・効果は?
まず最初に言えるのは、HHCはデルタ9THCやCBDのような豊富なカンナビノイドとは異なり、ほとんど研究がなされていないということです。
マウスにおけるHHCの疼痛遮断能力を説明するいくつかの論文が発表されていますが、限られた研究の中であり、HHCが治療の場面で大きな可能性を秘めているかどうかを結論付けるのは少し早いのかもしれません。
HHCの効果は「幸福感、エネルギーの増加、低レベルの陶酔感」と説明されることがあります。
一部の使用者の間では、HHCが、痛みの軽減とともに、心地よい穏やかな脳レベルをもたらしたという報告もあります。
ただ、HHCはデルタ8 THCよりも強力ではありません。
また、デルタ8 THC自体は、大麻の主要成分であるデルタ9 THCの約半分の効力とみなされているので、HHCの効力は用量が多くなければ弱いとも言えます。
HHCの効果や薬効の点については、大麻(主にデルタ9 THC)とは比較にならないとも言われています。
※HHCとTHCの効力の比較
HHC < デルタ8 THC < デルタ10 THC < デルタ9 THC(大麻の主要成分)
HHCは合法?
HHCはTHCではありませんが、アメリカでの法的地位はグレーです。
2018年の米国農業法案によって、麻の植物またはそれから作られたものに0.3%を超える濃度のデルタ9 THCが含まれていない限り、麻の植物とそのすべての派生物が連邦法で合法化されました。
これにより、麻由来のCBDはアメリカで合法となりました。
HHCもTHCではないので法に触れないのではないかと思われがちですが、それには懐疑的で様々な議論があります。
HHCは大麻植物の種子と花粉に含まれているため「非合成」であり、したがって「完全に連邦法で合法的な大麻抽出」であるとの主張があります。
一方、市販のHHC製品は麻由来のカンナビノイドをパラジウムなどの触媒で加圧下し、水素化することによって実験室で製造されたものなので、全米大麻産業協会の科学者たちは「半合成」大麻化合物と呼んでいます。
そのため、HHCはアメリカでも麻薬取締局に目を付けられる可能性があります。
アメリカには連邦類似体法というものがあり、専門家の間ではHHCがそれに該当するとも考えられています。
連邦類似体法はスケジュール1の薬物の類似体をスケジュール1の薬物自体として自動的に分類します。
よって、 米国の麻薬取締局がHHCをスケジュール1の薬物としてみなした場合、HHC製品は商品ではいられなくなってしまいます。
今のところ、HHC製品は麻(連邦法で合法)と大麻(合法ではない)の間の曖昧な合法ゾーンに存在しているとも考えられています。
※日本では2022年3月17日よりHHCの販売、所持、使用が規制されることが公布されました。
麻薬取締課は専門家による体へのリスクにおいても言及しています。
HIMIKO ORGANICSではHHC製品の取り扱いはございませんが、常に良いものをお届けするために欧米の動きや臨床研究論文などを調査しながら製品の向上を目指してまいります。
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