CBDが効かない?効果を感じない原因と対処法はあるの?
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CBDの有効性については、さまざまなエビデンスが存在しますが、どのように作用し、どの程度作用するものなのか、まだ多くは解明されていません。
現在、市場に出回っている多くのCBD製品は、サプリメントや健康食品、化粧品として販売されています。そもそもCBDは薬ではありません。
CBDの医薬品としてFDA(アメリカ食品医薬品局)で唯一承認を得ているものは、処方箋を必要とする特定のてんかん治療薬の「エピディオレックス」のみ(日本では治験中)という状況です。
それでも、CBDは多くの健康的価値が期待できるとして人気を集めています。
ただ、「医薬品が効かなかったけれどCBDで良い結果を得られた」という人がいる一方で、「CBDを試してみたけれど、私には何の効果もなかった」という人がいるのも事実です。
その場合、考えられる原因があります。
CBDを使うことを諦める前に、以下の原因に当てはまらないかを確認してみてください。
また、これからCBDを試してみたいと思っている方も、何に注意して製品を選んだら良いのかの参考にしていただければと思います。
CBDが効かない8の原因
質の悪い製品を使っている
CBDオイルやCBD製品をどこで購入されましたか?
CBDが適切に含まれている麻由来の製品を使っていますか?
市場では、たくさんの異なるタイプのCBD製品が販売されています。
これらの製品の中には、残念ながらそれほど良くないCBD製品もたくさんあります。CBDが健康食品であるため十分な規制が必要とされていないことから、一部では正確なラベルが貼られていない低品質の製品も存在します。
米国では、ある研究者グループが84種類のCBD製品を分析したところ、広告に記載されている量のCBDが含まれていたのは31%だけだったそうです。
日本でも、CBDが全く含まれていないのにCBD製品として販売していたり、パッケージに記載されているよりもCBDの含有量が明らかに少ない製品を販売していた業者もあり、問題となったケースもありました。
低品質の製品では、農薬や汚染物質の混入といった問題もあります。
すべてのCBD製品が同じではなく、CBDの種類をはじめ、同じCBDオイルでも品質に違いがあることを知っておきましょう。
アントラージュ効果がない
CBDは、含まれる成分によって、「フルスペクトラムCBD」「ブロードスペクトラムCBD」「CBDアイソレート」という種類に分けられますが、どれを使用していますか?
CBDを使用する目的や悩みによっても最適な種類が異なりますが、CBDアイソレートを使っている場合は、実感が足りないと感じる場合があります。
CBDアイソレートには、麻植物の天然成分であるテルペンや微量カンナビノイドが含まれていないため、アントラージュ効果(CBDのポテンシャルを引き出す力)が期待できないからです。
また、ブロースペクトラムCBDであっても、テルペンやフラボノイドが含まれていない製品があります。その場合、アントラージュ効果が減少する可能性があります。
他の薬やサプリが阻害している
以下のような薬とCBDを一緒に摂取した場合、薬物相互作用(飲み合わせによって効力が増減すること)が指摘されています。
- 一般的な血液凝固阻止薬のワルファリン
- 心臓のリズムを整える薬のアミオダロン
- トラマドールなどの鎮痛剤
- 甲状腺薬のレボチロキシン
- クロバザム、ラモトリギン、バルプロエートを含む発作のためのいくつかの薬
CBDは、多くの薬物の代謝を担う肝臓酵素シトクロムP450を鈍くさせ、また、これらの薬物がCBDのもたらす良い影響を多少なりとも阻害している可能性があります。
CBDは、多くの市販薬や処方薬、サプリメントとも相互作用する可能性があります。
吸収速度が遅い方法で摂取している
どのようにCBDを摂取するかによって、実感が期待できるまでに時間かかることがあります。
CBDを肺吸引するとすぐに血中に入るため、早い実感が期待できます。一方で、グミやカプセルとして食べたり飲み込んだりすると、実感できるまで2時間程かかることもあります。
経皮パッチを使用する方は、吸収速度がかなり遅いため、実感し始めるのは数日後になる人もいるかもしれません。人によっては、まったく何も感じないこともあります。
体に吸収されるCBDの量が少ない
いまやCBD製品は、CBDオイル、コーヒー、グミ、美容液など、あらゆるものが見つかります。
CBDの一般的な形態には、以下があります。
- 舌下摂取用のチンキやオイル
- 肌に塗るクリームやバーム
- 肺吸引するベイプやリキッド
- 食べるガムやチョコレートなどのお菓子
もしあなたが、ひとつの摂取方法を試してもうまくいかないのであれば、別の方法が良い結果をもたらす可能性があります。
考慮すべき大切な点は、バイオアベイラビリティ(体内吸収率)です。バイオアベイラビリティとは、どれだけのCBDが実際に血流に入るかを指します。
例えば、CBDグミを食べた場合、吸収する前に消化管を通らなければならず、実際にCBDが吸収される量は約6%〜10%と非常に少なくなります。
一方、チンキやオイルを舌下で摂取する場合は、血流に直接吸収されます。食べる方法よりも早く血中に入り、20〜30%が体内に残るため、舌下摂取の方が顕著な結果を得られる可能性があります。
ただ、最も良い摂取方法は、CBDをどのような目的によって使いたいかによって異なるかもしれません。体の内側からCBDが必要なのか、体の外側から必要なのかを考え、目的によって摂取方法を分ける必要があります。
カンナビノイドが体内に蓄積されるのに時間を要する
CBDの理想とした結果を得るには、最低でも1ヶ月の定期的な摂取を要します。
これは、エンドカンナビノイドシステムの調節不全が引き起こすエンドカンナビノイド(体に自然に生成されるカンナビノイド)に代わって、フィトカンナビノイド(植物のカンナビノイド=CBD)のレベルを体が構築する必要があるためです。
CBDを摂取してからすぐに結果が出ることは一般的ではなく、多くの人は数週間から数ヶ月間を経過して、CBDの良さを実感してきます。
健康上の悩みがカンナビノイドに反応するものではない
体内に存在するエンドカンナビノイドシステムは、ストレスや炎症との関係から、多くの疾患プロセスに関与していますが、必ずしもそうとは限りません。
すべての健康上の問題がカンナビノイドに反応するわけではないので、あなたの健康上の問題に反応しない可能性があります。
体質に合わない
CBDは誰にでも効果をもたらすという万能薬ではありません。様々な方法で試してみても単にあなたの体質に合わないという可能性もあります。
CBDに対する吸収と反応のレベルは、代謝や遺伝を含め、その人の体質など様々な要因に依存します。
麻に含まれる活性化合物と相互作用する「エンドカンナビノイド」と呼ばれる体内のシステムの働きは、人によって少し異なります。
実際、臨床精神医学の教授は、アメリカ人の20%が、体内で生成されるエンドカンナビノイドを自然に多く生成する遺伝子変異を持っている可能性があると指摘しています。その変異を持っている場合、すでに余分なエンドカンナビノイドを持っているので、CBDを摂取しても違いに気づかない場合があります。
CBDの効果が感じられない場合に試す9の対処法
ブロードスペクトラムCBDを試してみる
カンナビノイドやテルペンの組み合わせをいろいろ試してみて、実感できるかどうか確認してみましょう。
CBDは麻に含まれる様々な植物成分と相互に働くこと(アントラージュ効果)で、最大限の力を発揮するとお伝えしてきました。
CBD単体の製品(CBDアイソレート)で実感できない場合は、CBD以外のカンナビノイド、テルペン、フラボノイドを含む、ブロードスペクトラムCBDを使用してみましょう。
なお、ブロードスペクトラムCBDの中には、相互作用に必要となるテルペンやフラボノイドが含まれていないものもありますので、必ずそれらが含まれていることを確認してください。
水溶性ナノCBDを試してみる
CBDは、濃度ではなく用量が大事です。さらに言えば、体内にどれだけCBDを吸収できるか、バイオアアベイラビリティ(体内吸収率)が最も大事です。
効率の良い摂取方法である舌下摂取でも、一般的なCBDオイルのバイオアベイラビリティは20〜30%程度と多くはなく、実感が足りないと感じることがあります。
低いバイオアベイラビリティを克服するためにCBD業界が生み出したのが、ナノテクノロジー技術を用いた水溶性のCBD製品です。CBDオイルの粒子を、非常に小さいナノサイズにすることで、体内で容易に吸収できるようになっています。
舌下摂取の場合だと吸収率は最大100%までアップし、経口摂取の場合でも50%以上となり、多くのCBDを体内に吸収できることで実感につながる可能性があります。
通常のCBDオイル製品だけではなく、吸収力の高い水溶性のナノCBDも検討してみましょう。
他の摂取方法を試してみる
舌下、吸引、経口、塗布どの摂取方法を試しましたか?
CBDを使う目的をしっかりもち、それに合った摂取方法を選びましょう。
日々の健康維持であれば、経口でも舌下タイプでも良いでしょう。
ベイプは持続時間が短い反面、すぐに実感できることから、急なストレス対処が必要な人に人気の摂取形態です。ただし、香料や希釈オイルを加熱して肺吸引することの健康上の安全性に懸念があるため、含まれる成分をよく確認して選ぶ必要があります。
特定の健康上の悩みがある人には、安全性が高く、長い持続時間で効率よく摂取できる舌下タイプが良いとされています。
筋肉や皮膚の特定の部位に集中的に使いたい場合は、体の内側からCBDを取る方法ではなく、バームやクリームなどの塗布タイプを使う必要があります。
各摂取方法の特徴
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- 吸引
- 体内吸収率が高く、素早い実感を期待できるが、持続時間が短い。安全性の懸念も。
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- 経口一般的な摂取方法
- 実感まで最も時間がかかり、体内吸収率も低いが、飲食という慣れた方法であり、持続時間も長い。
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- 舌下効率的な摂取方法
- 吸引よりも少し時間がかかるが、実感スピードも体内吸収率も高く、持続時間が長い。
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- 塗布
- 血中には入らず、皮膚の気になる箇所に直接塗ることができる。頻繁に使用可。
スイートスポットを見つける
CBDを使い始めるときは、まずは低用量から始めて、自分の「スイートスポット」を見つけるまで、時間をかけてゆっくりと増やしていきましょう。
毎日摂取することで体内のCBDのレベルを維持することができ、エンドカンナビノイシステムを刺激してCBDのような植物カンナビノイドにもっと反応するようになるかもしれません。
多くの人は、マイクロドージングという手法で、自分だけの適量を見つけ、時間をかけて必要に応じて調節しています。
CBDの摂取量を増やしてみる
今の摂取量が目的に対して適量ではない可能性があります。
CBDは医薬品ではないので、摂取量を提示することができずパッケージに記載されている量も目安となっており、個人の体重、体質、目的などによって適量が変わってきます。
例えば、CBDで鎮静を目的とする場合、多くの人は300mg以上のCBDをとらなければ実感できないと言います。今摂取している量で実感ができない場合は、目安量にとらわれずに摂取量を少しづつ増やしてみましょう。ただし、過剰摂取には注意してください。
時間をおいてから再び低用量から始める
CBDは耐性を作らないこと(使用し続けることで効果が薄れること)がWHOからも報告されていますが、体内バランスの取れた状態が続くと、時間の経過とともに効果が薄れてきたと感じることがあるかもしれません。
そのような場合は、摂取を一度やめてみると良いかもしれません。
その後、体調の変化を感じたら、再び低用量から始めてみてください。
時間をかけ記録をつけてみる
CBDは、THCのような精神活性作用がないので、違いが出ているのかを実感するのが難しい場合があります。
CBDが力を発揮し始めるまでに時間がかかることがあり、定期的に摂取していても数週間かかることがあるのもその一因です。
CBDは、医薬品のようによく研究され、規制されているわけではなく、CBD業界の人たちは、CBDを摂取するための最善の方法をまだ模索しています。
しかし、確かなことは、標準的な量を摂取すればすぐに結果が出るというような単純なものではありません。自分に合ったブランド、摂取量、摂取方法を見つけるには、時間と忍耐、そして継続的なリサーチが必要です。
自分の結果を記録するために、どのくらいの期間が経過し、どれくらいの量を摂取したか、摂取前と摂取後にどのように感じたか、気づいた変化などを記録してみましょう。
質の良いCBD製品を選ぶ
しばらくしても結果がでないようなら、別のブランドを試してみるのもいいかもしれません。
CBDオイルひとつにしてもブランドによって品質は異なります。
いくつかの異なるタイプの製品を試して、あなたにとって最も良いと感じるものを見つけてください。多くのCBD使用者が、自分に合うブランドに落ち着くまでにいくつかの異なるCBDブランドを試したことを報告しています。
前述してきた方法に加え、安全性と品質の観点から、以下の3つのポイントをおさえて、製品選びをしてみましょう。
- 第三者機関による分析証明書があること:
分析結果は、製品に含まれるTHCの有無だけではなく、含まれるCBDの量を確認できます。また、農薬や重金属、カビなど不純物が混入していないかも確認しましょう。 - 製品がどのように作られているか確認する:
ヘンプの原産地や栽培方法、CBDエキスの抽出・精製方法、工場の管理体制など、良質な製品が作られる体制・環境なのかを確認しましょう。 - CBD以外の原材料についても確認する:
成分構成によって使用感や味、使い勝手も変わってきます。品質の悪いものを選ばないためにも、CBD原料と併せて配合成分も確認しましょう。
薬を服用している際はCBDの摂取時間に注意
何かしらの医薬品を服用している場合には、薬を服用した2時間後以降にCBDを摂取することが良いとされています。
特に、薬物相互作用するCYP3A4が関係する薬である場合は、薬剤師や医師に尋ね、CBDがあなたにとって適切な選択肢であるかどうかを判断してください。
それでも結果が出なければ
どのような方法でCBDを試してみても期待した結果がでないと感じた場合は、使用を中止することを検討してください。健康上の悩みによっては、もっと「典型的な」医療的治療法を試したほうが良いかもしれません。
CBDはある人には良い結果をもたらしますが、他の人には何の影響もないこともあります。どのような人や場合にカンナビノイドに反応し、どのような人が反応しないかについては、さらなる研究が必要とされています。
CBDには禁断症状が知られておらず、また医療用大麻の使用を中止しても、オピオイドやベンゾジアゼピンの使用とは異なり、身体症状(吐き気、痙攣、緊張)や中止時の危険はないので安心です。
CBDを扱っている医療機関であれば、CBDの摂取の仕方から適量についても医療的な観点からアドバイスしてくれるかもしれません。自分に合うかもしれない他の選択肢についても医師に相談してみてください。
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