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CBDは子どもにも使える?安全性やリスクなど子どもへの影響や使用例など

2023.05.14 UP

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CBDは子どもにも使える?安全性やリスクなど子どもへの影響や使用例など

最近では大人だけではなく、親が子どもの集中力や睡眠、自閉症、落ち着きなどの対処法としてCBD(カンナビジオール)を利用するようにもなっています。
いくつかの子どもを対象にした研究では、これらの改善に有望な可能性を示すものもありますが、子どものCBDの使用における研究はまだ限られており注意が必要です。

CBDの子どもへの使用は安全なのでしょうか?
この記事では、子どもへの使用を検討している保護者の方への参考になるよう、専門家の見解などを交え、安全性やリスク、子どもへの使用例、摂取方法、摂取量などを解説していきます。

CBDは安全か?

CBDは、一般的に安全であると言われています。
果たしてそれは子どもにも安全なのでしょうか?

CBDが安全と言われる理由

CBD(カンナビジオール)は大麻草から抽出されますが、大麻に含まれる精神活性作用のあるTHC成分を含まないため、気分がハイになる心配はありません。そのため日本でも合法です。

世界保健機関(WHO)の報告書によると、「CBDは一般的に安全性が良好で忍容性が高い」と結論付けています。
また、いかなる副作用もCBDと服用する他の薬との相互作用の結果である可能性を指摘しています。乱用や依存についても、その兆候は認められず、「これまでのところ、CBDの使用に関連する公衆衛生上の問題を示す証拠はない」とされています。

有効性については、いくつかの臨床試験でてんかんに対する有効性が示されたことに加え、「CBDが他の多くの病状に対して有用な治療法である可能性があるという予備的な証拠もある」と発表されています。

CBDは子どもにも安全ですか?

アメリカでは、子どもへの使用は制限されているものの、保護者の判断で子どもにも使用されています。それは日本でも同様です。

世界保健機関は、CBDが子どもにとって一般的に安全であると結論付けています。
しかし、どの程度の量なら子どもにとって安全か、他の薬とどう反応するかについては十分な研究がありません。まだわからないことも多く、親が子どもにCBDを使用させるのは控えた方がよいと勧める専門家もいます。

子どもに使用するかどうかは、保護者の考え方によるところも大きく、子どもの主治医に相談することも推奨されています。

CBDオイルを子どもに使用するリスクは?

大麻の歴史は長いですが、CBD製品は比較的新しいものです。子どもを対象にした研究もほとんどされておらず、その効果に関する縦断的研究も行われていません。そのため、懸念事項がいくつかあります。

服用中の薬との相互作用

CBDはそれ自体は安全かもしれませんが、副作用としては眠気、疲労、下痢などが考えられ、その発生率や重症度、子どもへの影響は不明です。
また、子どもが医薬品を服用している場合、その薬とCBDが相互作用する可能性があります。
CBDは体内の薬物を代謝するのに必要な酵素の一部を阻害することがわかっています。そのため、グレープフルーツの注意書きがある薬を服用している場合は特に、CBDを子どもに使用しない方が良いでしょう。

CBDの子供への影響を知るためには、多くのエビデンスが必要とされています。

製品のラベル表示の不正確さ

CBD製品のラベル表示が不正確な場合があります。
植物による影響もあるため、製品のCBD含有量が記載よりも実際には少ない場合や多い場合があります。そのため、自分が摂取したいと思っている量と実際の摂取量に違いが生じることがあります。
このような事態を避けるためには、第三者機関によるCBD含有量の分析証明書を確認することが重要です。

CBD以外の成分が有害の可能性

CBDについてはよく言及されますが、CBD製品には、含有量や濃度、他の配合成分によって品質に差異があります。そのため、子どもにとって安全でない成分や添加物が含まれている場合があり、製品の配合成分の安全性を確認する必要があります。
第三者検査機関の分析証明書で、THCやその他の汚染物質が含まれていないかどうかを確認することが重要です。

なお、ベイプ製品に関しては、CDCと米国医師会が、低品質のCBDベイプが肺疾患や死亡と関連している可能性があることを指摘し、明らかになるまで使用を完全に避けることを勧めています。

子どもに与えるべき量が不明

子どもにどのくらいのCBDを与えるべきか、その推奨量はまだわかっていません。
日本でも健康食品として販売されているため、目安量にとどまり、適量は個人によっても異なるため、大人でも摂取量には頭を悩ませることがあります。
子どもに関しては、その量を決めることはさらに困難です。

子どものCBDの使用における保護者の考え方

世界的にCBDが普及するようになり、CBDについて知る人も増える中、正確な知識をもつ人は限られています。アメリカでも世論調査の結果、「3分の1の人がCBDの使用はマリファナ(娯楽用の大麻)の使用と同じ」と考えていることがわかっています。

以下で、ミシガン大学の小児病院が行った「子どもの健康に関する全米世論調査」の結果から、子どもに関するCBDの使用をめぐる保護者の考え方を見てみましょう。

子どもへのCBDに関する全米世論調査結果

2021年10月に調査した3~18歳の子どもを持つ保護者1,992人の回答に基づくCBDに関する全米世論調査報告書(C.S. Mott Children’s Hospital National Poll on Children’s Health)によると、興味深い調査結果を知ることができます。

  • ほとんどの保護者が、CBD製品について非常に限られた知識しか持っていない。
  • ほとんどの親(71%)はCBD製品を使ったことがなく、CBDを試したことがあるのは24%、5%はCBD製品を定期的に使用。
  • 保護者の約2/3はCBDに興味を持っているものの、そのうちの3分の1は、子どもには与えるべきでないと考えている。
  • 子どもにCBDを使用する保護者は少数派。子どもにCBD製品を使用したことがある、または検討したことがある7%の保護者のうち、CBDの使用について子どもの医師と話したのは3分の1のみ。
  • 4分の3の保護者(73%)は、医薬品が効かないときにCBDが子どもにとって良い選択肢になると前向き。
  • CBDを子どもに使用している保護者のうち、73%が子どもの健康状態を改善するために使用していると回答。具体的には、不安(51%)、睡眠問題(40%)、注意欠陥多動性障害(ADHD)(33%)、筋肉痛(20%)、自閉症(19%)、子どもの気分を良くするため(13%)。
  • 子どものCBD製品の使用を決める際の重要要素は、副作用(83%)、子どもへの安全性のテストの有無(78%)、子どもへの効果(72%)、子どもの主治医の推薦(63%)、米国食品医薬品局(FDA)の承認(58%)、製品のレビュー(41%)。
  • 保護者の中でCBDが子どもの健康にとって有用であると考える人は54%。

以上のように、CBDに関する認知度や関心度は高まってきていますが、CBDによる副作用や安全性の不確定性などを心配する保護者もいます。

結局のところ、子どもにCBDを与えるかどうかは個人の判断として、慎重に考える必要があります。保護者の中でも、CBDに対する意見は分かれており、専門家のアドバイスを受けることも大切です。

子どもにCBDオイルを使う目的は?

FDAが承認している医薬品CBDは、子どもの難治性てんかん治療に使用されるエビディオレックスのみです。しかしながら、子どもにCBDオイルを使用する保護者の多くは、てんかん以外の症状や問題に対して使用しています。

以下に、いくつかの使用例を挙げてみます。

てんかん発作のため

FDAは、レノックス・ガストー症候群とドラベ症候群という薬では反応しない子どもの稀なてんかん発作を治療するために、医薬品CBD「エビディオレックス」を承認しています。この薬は2歳以上の子どもが使用することができます。

エビディオレックスは、患者516人を対象とした3つの無作為化二重盲検プラセボ対照薬物試験によって、発作頻度の減少に有効であることが示されていますが、他の医薬品同様、以下の副作用も確認されています。

  • 無気力や眠気を感じる
  • 肝酵素の上昇
  • 食欲減退
  • 発疹
  • 下痢
  • 体がだるい
  • 不眠症や睡眠の質の低下
  • 感染症

したがって、子どもへの使用の際は、医師と相談することが重要です。
また、CBDオイルと医薬品は異なるため、CBDオイルで同じ効き目を得ることができるかどうかは検証が必要です。

自閉症のため

世論調査では、「自閉症の子どものためにCBDを使用したい」と考えている保護者の割合は、全体の19%にとどまりました。

自閉症の子どもへの医療用大麻、または、CBDオイルの使用を調査したいくつかの研究は、自閉症の症状に改善が見られる可能性を示唆しています。

ある研究では、5歳から18歳の自閉症スペクトラムの子どもたち188人を対象に調査を行いました。被験者は、THCを含むCBDオイルを1日3回、舌下に投与されました。

その結果、1ヶ月の使用で、ほとんどの被験者に発作、落ち着きのなさ、癇癪などの症状において改善が見られました。また、ほとんどの被験者の症状は、6ヶ月間継続して軽減されたことがわかっています。

副作用には、眠気や食欲不振、逆流などがありました。ただし、研究期間中、子どもたちは抗精神病薬や鎮静剤など他の処方薬を継続して服用していたことも指摘されています。

自閉症の子どもたちに対する医療用大麻やCBDオイルの使用に関する研究は、その有効性について興味深い結果を示しています。
しかしながら、これらの研究は、まだ限られた数であり、対照群が不十分であるため、因果関係を確定することができていません。また、副作用に関する研究も不十分であり、長期的な使用によるリスクについては依然として研究が必要です。

その他、イスラエルの研究者グループは、自閉症スペクトラムの子どもたちの問題行動を軽減するためにCBDの使用を検討し、60人の子どもたちを対象とした実行可能性調査を行いました。
その結果、子どもたちの行動の突出、不安、コミュニケーション問題の他、親が報告したストレスレベルが大幅に改善されたことが確認されました。

現在、より多くの研究が進行中であり、自閉症の子どもたちに対する医療用大麻やCBDオイルの安全で効果的な使用について、より詳しい知見が期待されています。

不安やストレスの軽減のため

「不安」は、世論調査でも保護者が子どもにCBDを使用したい理由の第一位ともなっています。
CBDは、神経系に影響を与えることで不安やストレスの緩和効果があるとされています。
子どもたちは学校や家庭でのストレスや不安を感じることがあり、そのような状況でCBDを使用することで、心身のリラックス効果を得ることができると期待されています。

CBDオイルが不安を軽減する可能性があることは、動物実験や人体に関する研究から示されています。しかし、子どもに対する長期的な影響に関する情報は限られており、慎重に評価する必要があります。

ニューヨーク大学のエスター・ブレッシング博士の研究グループによるレビューでは、CBDオイルが不安症の治療に有望であることが示されました。
社会不安障害、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害(OCD)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を含む不安障害を軽減する可能性があることが示されています。
ただし、CBDオイルが慢性的な不安に対して同様の効果をもたらすのかどうか、長期的な使用による影響はまだ明確になっていません。

一方、PTSDのある10歳の患者を対象とした研究では、CBDオイルが不安感を改善し、不眠を軽減することが示されています。これは、CBDオイルが子どもにとっても安全で有効な治療法である可能性を示唆していますが、より詳しい研究が必要とされています。

最終的には、子どもに対するCBDオイルの効果や安全性について、より多くの研究が必要とされます。医師に相談して、最善の治療法を選択することが重要です。

注意欠陥多動性障害 (ADHD)のため

一部の保護者は、子どもがADHDを抱えている場合に、CBDオイルを使用することで注意力や行動の問題を緩和できるかもしれないと考えています。
しかし、ADHDの子どもに対するCBDを使用した利点やリスクに関する研究は限られています。

CBDオイルの使用後に子どもの症状が軽減したと報告する保護者もいれば、効果がなかったと報告する保護者もいます。
日本でも、発達障害の疑いのある子どもに保護者がCBDを水筒に入れて飲ませたところ、学校の先生に「何かしたんですか?」と驚かれるぐらい、子どもは癇癪をおこさなくなり、落ち着きを取り戻し、改善されたことを喜ばれる保護者もいます。
しかし、現在のところ、CBDオイルがADHDに有効であるかどうかを確認するのに十分な証拠はありません。

その他

睡眠や痛みの改善にCBDを子どもに使用する保護者もいます。

  1. 睡眠の改善のため:
    CBDは、睡眠を調節する神経系に影響を与えることがあり、睡眠の質を改善する効果があるとされています。子どもたちの健康には十分な睡眠が不可欠であり、睡眠障害がある場合にはCBDが有効かもしれません。
  2. 痛みの軽減のため:
    CBDは、炎症や痛みを和らげる効果があるとされています。子どもたちは、けがや病気で痛みを感じることがあり、そのような場合にCBDを使用することで、痛みの軽減につながるかもしれません。

以上のように、CBDオイルを子どもに使用する目的は様々ですが、その多くは健康維持や不調の改善に関するものです。
しかし、これらの使用に関しては、科学的に十分なエビデンスがほとんどないため、リスクや効果について十分な情報がないことに注意する必要があります。医療目的での使用については、医師に相談することが重要です。

子どものCBDの摂取方法

CBD製品は、オイル、カプセル、グミ、バーム、ローション、ワックス、ベイプなどさまざまな形で販売されています。子どもにCBDを与えるとしたらどのような摂取方法が良いのでしょうか?

子どもからみた各形態の特徴をお伝えしていきます。

舌下に垂らすCBDオイル/チンキ

CBDオイルのようなチンキ剤は、量を調節しやすい利点があり一番効率の良い摂取形態である一方、独特な味と後味がするものや風味のあるオイルもあり、味が苦手な子どもには不向きな場合もあります。

チンキ剤を飲ませる際には、ヨーグルトに混ぜたり、パンなどに垂らして食べる方法もあります。ただし、これらの方法でCBDの量を正確に調節することは難しいため、使用量をしっかりと把握しておくことが大切です。

ドリンクとして飲む

一般的なCBDオイルですとドリンクに垂らした場合、油が浮いてしまい混ざりませんが、水溶性のナノCBD製品は水に溶けやすく、ドリンクに混ぜることができます。
このような製品は、子どもがCBDを摂取するのに最適な方法の一つです。子どもが飲みやすいように水筒などに入れて飲ませるのも良いでしょう。

飲み込むカプセル

カプセルは、摂取するのに飲み込みやすく、味も気にならないため、子どもにとっては扱いやすい摂取形態の一つです。
ただし、CBDの量を調節することができないため、必要以上に摂取してしまう可能性があります。そのため、子どもには注意が必要です。

食べるグミやお菓子

CBD入りのグミやクッキー、チョコレートなどのお菓子は、子どもにとって魅力的であるため、CBDを過剰摂取しないためにも食べ過ぎには注意が必要です。子どもが見つけられない場所に保管することも忘れないでください。

CBDのお菓子を自作する場合は、CBDオイルですと均等に混ぜるために時間と手間がかかりますが、水溶性のナノCBD製品を使う場合は、混ぜやすく手間も省けます。

肌に塗るバームやクリーム

バームやクリームなどの肌に塗るタイプのCBDは、肌に直接塗ることで皮膚のコンディションを整えます。
CBDオイルを口や肺から摂取するときとは異なり、血液中にCBDが入らないため、脳に作用することはありません。そのため、頻繁に使える皮膚組織の表面で作用するCBDの使用を好む保護者もいます。

配合成分によっては、肌が敏感な子どもには刺激を与えることがあるため、肌にやさしい成分を選ぶことが大切です。

経皮吸収パッチ

CBDパッチは、皮膚に貼り付けられ、CBDを通常は12〜24時間放出することができます。これは、消化器系を通過せず、血流に直接入るため、CBDを効率的に吸収する方法の1つです。

CBDパッチの利点は、一定期間安定したCBDレベルを維持できることで、飲み薬とは異なり、血中のCBD濃度が急激に上昇しないため、急激な効果の増加や減少が少なく、より安定した効果が期待できるとされています。
しかし、CBDパッチは、他のCBD製品と比較して、より高価であり、副作用やアレルギー反応の可能性があることに留意する必要があります。

子どものCBDの摂取量の目安

CBDの適量は、体重、代謝、体質、目的などによって個人差があります。

CBDオイルの場合、製品によって濃度や摂取量が異なるため、製品のラベルをよく読み、推奨される用量を守ることが重要です。
とはいえ、市販のCBD製品は、健康食品や化粧品などとして販売されているため、摂取量も目安でしか記載されていません。またその量は、大人向けの場合がほとんどです。

子どもの摂取量の目安について専門家は、市販のCBD製品を使用する際は、1kgあたり1mgのCBDから始めて、この量を1日3回に分けて摂取することを勧めています。

例えば、体重15kgの子どもであれば、15mgのCBDを1日3回に分けて摂取することから始めます。
この方法を2週間続けても悪い影響が見られない場合は、CBDを1日30mgに増やすこともできます。ただしその際は、医師に相談することが賢明です。
小児てんかんの治療にCBDを使用する場合、5-10倍の高用量を使用されますが、それは医師の監督下で使用されています。

少量づつゆっくり始めることで、副作用を引き起こすことなく、子どもがCBDにどのように反応するかを注意深くみながら摂取量を調整していくことが大切です。

まとめ

CBD製品は、大人にとっても子どもにとっても、よりよい生活のために良い選択肢の一つになるかもしれません。ただし、研究はまだ限られておりCBDの子どもへの使用には注意が必要です。

市販のCBD製品を子どもに使用する場合には、製品の品質や成分表示などをよく確認し、摂取量についても専門家や医師の勧める目安に従うことをお勧めします。子どもの使用における販売業者の方針もさまざまです。

最終的な判断は親が行うことになりますが、子どもの主治医に相談することで、リスクを最小限に抑えることができます。また、CBD製品は品質が一定しているとは限りませんので、信頼できる販売業者から購入することをお勧めします。

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