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CBDはいつ摂取したらいいの?ベストな時間帯や食事の有無は?

2023.05.10 UP

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CBDはいつ摂取したらいいの?ベストな時間帯や食事の有無は?

CBD(カンナビジオール)を生活に取り入れるにあたって、こんな疑問を抱かれる方もいるのではないでしょうか。
「いつCBDを摂取すればいいんだろう?」「空腹時に摂るべき?それとも食後?食事中?」

基本的にCBDは自分のライフスタイルに合わせていつでも使用することができるのですが、それでもベストな摂取タイミングというものはあるのでしょうか?

この記事では、「どのような目的の人が、いつ摂取する傾向にあるのか?」「食事との関連性」などについて、その有効性に関するエビデンスを交えて解説します。

朝にCBDを摂取する人の主な目的

目覚めを促すため

CBDを摂取すると元気になり、目が覚め、頭が冴えると感じる人は、朝に摂取することを好む傾向にあります。

CBDが有効な覚醒誘導剤である可能性を示すエビデンスがいくつかあります。
この2015年のレビューでは、CBDに眠気改善に役立つ覚醒誘導作用があるかどうかについて調べたところ、いくつかの研究がCBDが睡眠時間中の覚醒を高めるのに役立つことを示唆していると述べています。
また、CBDの覚醒誘導特性を支持する十分な動物実験の証拠があったことも付け加えています。
このエビデンスは、人が朝にCBDを摂取することで眠気を感じなくなり、集中力を高められる可能性を示しています。

一方で、CBDが鎮静効果を持つ可能性があることを示唆するエビデンスも報告されています。
つまり、CBDを摂取することで、かえって目覚めが悪くなり、注意力が低下してしまうということです。したがって、CBDが眠気に対する効果的な対処法であるかどうかを判断するためには、より多くの研究が必要となっています。

不安の軽減のため

朝起きると日常生活における様々なことが気になり、不安な気持ちで目覚める人がいます。頭痛、腹痛、癇癪や頻尿なども不安の症状である場合があります。
そんな不安な気持ちに対処したい人は、朝にCBDを摂取する傾向にあります。

CBDが不安に対して有効である可能性を示すエビデンスがいくつかあります。
2015年のレビューでは、研究者は不安に対するCBDの有効性に関する49の研究を評価しました。
研究者は、CBDが以下のような多くの不安障害に対し効果的であることを示す十分な証拠があると結論付けています。

  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
  • 全般不安症/全般性不安障害(GAD)
  • パニック障害
  • 強迫性障害
  • 社交不安症/社会不安障害(SAD)

2020年の研究では、ニュージーランドの397人の成人を対象にしたCBDの効果を評価しています。被験者は、不安を含むさまざまな健康上の問題に対してCBDを投与されました。結果、被験者は全体的に、生活の質や不安、鬱症状、日常的な活動の改善を報告しています。

CBDが不安に対して役立つと感じる人は、大事なスピーチを控えているときや緊張して気持ちを落ち着けたいときなどに使用する人もいるでしょう。

日中にCBDを摂取する人の主な目的

発作を治療するため

CBDには、唯一医薬品としてFDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されている「エピディオレックス(Epidiolex)」と呼ばれる処方薬があります(日本では治験中)。
エピディオレックスは、レノックス・ガストー症候群、ドラベ症候群、結節性硬化複合体によって起こる発作を治療することができます。
エピディオレックスを使用する際には、医師が推奨する投与量に従います。通常、体重1kgあたり2.5ミリグラムから開始し、1日2回投与します。1週間後には、1日2回、5mg/kgに増量していくことができます。

片頭痛の緩和のため

片頭痛は、激しい頭痛やその他の症状を繰り返し引き起こす医学的な疾患です。
片頭痛は、1日のうちいつでも起こりうるもので、数日間続くこともあり、日常生活に支障をきたす恐れがあります。

2017年のレビューでは、頭痛疾患の治療に対する大麻の使用について調べました。研究者たちは、大麻が片頭痛の緩和に役立つ可能性があると発表しています。
しかし、CBDは大麻とは異なる作用を引き起こす可能性があるため、CBDが片頭痛に対し効果的であるかどうかを判断するには、より多くの研究が必要です。

エネルギーと集中力を高めるため

エネルギーや集中力は、さまざまな要因によって左右されます。睡眠不足、食事、ストレスなどの慢性的な健康問題は、すべて生産性を低下させます。
CBDのエネルギーと集中力への影響に関する研究は初期段階にありますが、いくつか関連する研究結果をご紹介します。

2014年のある研究レビューによると、CBDは一部の人に覚醒を促す可能性がありますが、この知見はまだ臨床的に確認されていません。

2015年の無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、CBDが顔の感情認識を改善することがわかり、カンナビノイドが認知機能や集中力に関与することが示されました。

CBDはセロトニンやドーパミンといった「気分の良い」ホルモンと相互作用します。
かなりのストレスを感じるたびに、体はコルチゾールを生成し始めます。コルチゾールレベルが高くなると、集中力が低下し、精神的な明晰さを維持できなくなる可能性があります。
CBDは、過剰なコルチゾールの排泄と相互作用することで、この問題に対処できるかもしれません。

その結果、脳はより多くのドーパミンとセロトニンを放出することができます。これらの神経伝達物質は、記憶、集中力、エネルギー、モチベーションに影響を与えます。

これらのことから、仕事や勉強に集中することをサポートするために、午後CBDを摂取する人もいるかもしれません。

夜にCBDを摂取する人の主な目的

睡眠を改善するため

不眠に悩まされている人は多くいます。そんな人たちの中には、CBDを寝る1時間程前に摂取してベッドに入る人もいます。

CBDが睡眠の改善に役立つというエビデンスもいくつかあります。
2019年のレビューでは、CBDが不安や睡眠の改善に役立つかどうかを調べました。CBDと不眠症の治療薬ニトラゼパムを比較したクロスオーバー研究では、CBDの高用量が睡眠時間の延長をサポートすることを発見しました。

ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルは、通常、朝にピークを迎えますが、不眠症の人は、夜にコルチゾールのレベルが高くなることがあります。
不眠症とは無関係に、夜間にコルチゾールレベルが高いことは、夜間の目覚めの回数が増えることと関連しています。
2019年の研究では、300~600mgのCBDを摂取すると、コルチゾールレベルが著しく低下したことから、CBDの鎮静効果が得られることが示唆されました。

しかし、CBDが睡眠の改善に有効かどうかを判断するためには、さらなる研究が必要とされています。

時間帯を気にせずCBDを使う人の主な目的

CBDは、健康上の悩みがある人が使うものと思われがちですが、健康でもその維持を目的にセルフケアアイテムとして取り入れる人は多くいます。

そんな人たちは、自分のライフスタイルに合わせて、好きな時間帯に摂取しています。

CBDは空腹時?食事中?食後?いつに摂取するのがいいの?

CBDをいつ摂取していますか?食後ですか?それとも空腹時ですか?
ほとんどの人は、起床時、昼食時、寝る前と1日に数回CBDを摂取しますが、その状況によりCBDは異なる影響を与えています。
つまり、胃の中が空っぽの朝、軽く食事をした後の昼食後、より充実したメニューの夕食後など食事の有無がCBDが体内で処理される過程に影響を及ぼします。その結果、CBDが体に与える影響も変わります。

CBDの良さを最大限に発揮するには、食事中に摂るべきでしょうか?それとも空腹時が良いのでしょうか?その疑問にお答えします。

CBDを効果的に使うなら体内の吸収率を上げることが鍵

CBDを摂取するタイミングは、例外(後述)を除き、食事中に摂取することが推奨されていますが、それは、CBDは食事と一緒に摂取した方が吸収力が上がるからです。
吸収率が高くなることで、より実感がより期待できるとされています。

では、なぜCBDは食事と一緒に摂取した方が吸収率が高いのでしょうか?
それには「バイオアベイラビリティ」と「初回通過代謝」が関係しています。

バイオアベイラビリティとは、CBDが血流にどれだけ多く、どれだけ早く入るかということです。
CBDの摂取において、バイオアベイラビリティを向上させることは非常に重要です。
バイオアベイラビリティが低ければ低いほど、バイオアベイラビリティの高い製品と同等の効果を得るために、より多くのCBDを必要とします。

これは「初回通過代謝」と関連しています。
CBDを口から食べたり飲み込んだりする経口摂取では、バイオアベイラビリティが低く(吸収速度が遅く、化合物のすべてが血流に到達しない)ことで知られていますが、その理由は、CBDが肝臓に入る前に消化酵素を通過するのに時間がかかるからです。

CBDはチトクロームP450(CYP450)と呼ばれる酵素のファミリーによって、その中核成分に分解されます。最初は単純なCBD分子であったものが、実際には100以上の異なる代謝物になります。
残念ながら、これらの代謝物の多くは、血流に達する前に処理され、排泄されるため、CBDの全体的なバイオアベイラビリティを低下させてしまうのです。

こうしたCBDの性質に対処にするために、簡単な方法があります。
それが、CBDオイルを食事と一緒に摂取することです。

CBDを食事と一緒に摂取することに関する科学的見解

新しい知見によると、CBDを食事と一緒に摂取すると、初回通過のプロセスが回避され、バイオアベイラビリティが全体的に向上する可能性があります。いくつかの研究があるのでご紹介します。

ミネソタ大学が発表した研究では、CBDオイルを食事と一緒に摂取することで、初回通過効果(肝臓などで代謝される過程のこと)を回避し、効果を高めることができることを証明しています。

この研究は、難治性てんかんの成人患者8名を対象に、CBDが食べ物によってどのような影響を受けるかを調べました。
発作のためにCBDを処方されたことのある8人の患者に「純度99%のCBDカプセルを1回分」投与し、「空腹時と脂肪分の多い食事(高脂肪840~860キロカロリー)の後」の両方の方法でCBDを摂取するよう指示しました。血中のCBDの量を測定するため、直後と数日後に血漿濃度が記録されています。

その結果、CBDを脂肪分の多い食事と一緒に摂取すると、空腹時に比べてバイオアベイラビリティが向上し4倍以上のCBDが体内に吸収されることが判明した上、吸収速度が速いことがわかりました。
この研究は比較的小規模なものでしたが、CBDオイルがそうであるように、CBDをココナッツオイルのような油脂と一緒に摂取することで吸収しやすくなるというCBDの性質を裏付けています。

ハーバード大学医学部によるレビューでは、体内での脂肪酸とバイオアベイラビリティについて論じられています。
脂質はエネルギーが豊富で素早く体内に吸収され、即効性のあるエネルギーとして機能することを発見し、その結論は、ミネソタ大学の研究結果と密接に関連しています。

この結果から、脂肪分の多い食品は体に吸収されやすく、初回通過代謝での分解の一部を回避することがわかっています。
CBDはもともと疎水性で、油に溶けやすい性質があることから、CBD分子の一部は脂肪酸と結合し、脂肪が吸収されるときに体内に入ると考えられています。

これらのことから、CBDを脂質の多い食事と一緒に摂ることで、脂質に吸収され、吸収効率も高まることがわかっています。
CBDオイルをみても、ほとんどの場合は、脂肪酸からなるキャリアオイルで希釈されています。

もし朝一番にCBDを摂取したり、夜の食事なしで摂取したりしている人は、習慣を変更し、食後にCBDを摂取するか、魚、アボカド、ナッツ、赤身肉、ココナッツオイルなどの脂肪食品と組み合わせて摂取すると良いかもしれません。

ただ、これでもP450酵素からCBDを保護するにはまだ不十分です。

食事の有無に関係なく吸収される水溶性CBD

CBDを摂取するときのポイントとして、一般的にCBDオイルと呼ばれる、脂溶性のオイル状の場合には、バイオアベイラビリティを高めるために、空腹時よりも脂の多い食事と摂取すると良いとお伝えしました。

一方で、このバイオアベイラビリティを最大化するために開発されたCBD製品も存在します。
ナノテクノロジー技術を用いた水溶性のCBD製品です。
水溶性のナノCBD製品は、食事の有無に関係なく水分で体内にCBDを吸収させることができます。また、有効成分の化学的構成により、P450酵素による攻撃を完全に回避して、吸収効率も良く、吸収率最大100%を実現します。

昭和大学の研究結果でも、標準的なCBDオイルでは、食事なしではほとんど吸収されませんが、ナノ化された水溶性CBDでは、食事の有無に関係なくCBDが体内に吸収されることを示しています。

一般的なオイル状のCBDオイルの効果を高めるためには、摂取時に脂肪酸の量を増やすことが望ましいかもしれませんが、食事との関係を考えずに摂取したい人は水溶性のCBDを検討しても良いかもしれません。

まとめ

現在のところ、CBDを摂取するのに最適な時間帯があることを示す証拠はありません。
脂溶性のオイルベースの一般的なCBDオイルの場合、CBDを実感するためには、食後や脂質の多い食べ物と組み合わせることが効果的です。
水溶性のナノCBDの場合は、食事の有無に関係なくCBDを吸収させる利点があります。
目的やライフスタイルによって想定する使用タイミングに合わせて、製品タイプを選ぶと良いでしょう。

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