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CBDはうつ病や不眠症にも効果があるの?

2023.03.16 UP

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CBDはうつ病や不眠症にも効果があるの?

皆さんも日常でさまざまなストレスにさらされて生きていると思います。ストレスがあまりに強く影響してしまうと体と心のバランスが崩れてしまってうつ症状や睡眠不足、不安障害になってしまうことも珍しくはありません。日本は特に職場や学校だけでなくネットの中でもストレスを感じる場面が多い世の中になっています。そんなときに、メンタルケアやストレスケアの方法としてCBDを取り入れることで心の悩みが和らぐ可能性があります。そんなCBDと心に関連した内容について詳しく解説していきます。

CBDはうつ病の改善に繋がる?

ここでは、CBDがうつ症状に関連する心のモヤモヤや不安などの心の悩みに関連した精神症状を和らげることに関係しているメカニズムについてお伝えしていきます。

エンドカンナビノイドを活性化させる

私たちの体には、生体機能を調節するバランス機能がその役割を果たしており、それを恒常性(ホメオスタシス)と呼びます。
この恒常性の維持がうまくいかなくなったときに何かしらの体と心の症状が現れるようになります。
CBDなどの大麻草由来のカンナビノイドを研究したことで、私たちの生体にはもう1つの生体維持機能を持つエンドカンナビノイドシステム(ECS)が存在することがわかりました。
ECSは、恒常性を補佐するようにはたらくと考えられており、睡眠、痛み、炎症、食欲、不安を調節することに関わります。
これがCBDのもたらす期待につながってきます。

ECSには、エンドカンナビノイド (内因性カンナビノイド) という化学物質が関わっています。CBDのような大麻草に由来する植物性カンナビノイドとの違いは、エンドカンナビノイドは私たちの生体内で合成されて存在しているカンナビノイドのことを指しています。

エンドカンナビノイドには、1988年にイスラエルの科学者ラファエル・メシューラム博士らによってアナンダミド(AEA)、2-AG(2-アラキドノイルグリセロール)が発見され、その他にも約10種類ほど存在することが知られています。

私たちの各細胞には、CB1とCB2の2種類のカンナビノイド受容体が存在しており、臓器ごとにその分布に違いがあります。
CB1は主に脳や神経系、CB2は免疫系に広く分布しております。
これらにエンドカンナビノイドが結合することで生体機能にさまざまな反応をもたらします。
そのため、ECSは体と心の全体にはたらくことで、健康維持や心の安定に関係すると言われています。

アナンダミドの分解を抑制する

2012年に発表されたドイツの研究者たちによる論文には、CBDがエンドカンナビノイドのアナンダミドの分解を抑制することで、カンナビノイド受容体に結合したアナンダミドのシグナル伝達効果を高めることが報告されました。

アナンダミドは、脳や神経系に多く分布するCB1に作用しやすいエンドカンナビノイドで「幸福の分子」とも呼ばれています。
CBDはアナンダミドを分解する酵素である脂肪酸アミドヒドロラーゼ(FAAH)のはたらきを阻害することで、間接的にアナンダミド補佐することが知られています。
これによって脳や神経のはたらきを活性化して、うつ症状や不安などによる精神的な心の悩みに対して前向きにしてくれると考えられています。

CBDによるうつ病に対しての実感とは?

CBDによるうつ症状にも関係する症状やそこから派生して生じる健康トラブルについて報告されている内容をお伝えいたします。ここでは、不安障害、抑うつ、寝付けない場合についての3つに分けてご紹介していきます。

不安障害に期待される

不安障害とは、毎日過剰な不安を抱いてしまう病気の総称です。
どんな人にも不安を感じたり、心配したりすることは多かれ少なかれ存在しています。
特に不安障害を持つ人の不安や心配事は、一般的な人が感じるものに比べると非常に多種多様になってしまう傾向があります。
その結果、過剰な不安を感じることで冷や汗が出てしまったり、ソワソワして動きが止まらなくなったり、手足のふるえ、顔が赤くなるなどの目に見える症状が出ることもあります。
また1日中不安なことについての思考が繰り返されてしまって、より一層不安が強くなってしまって睡眠や食欲、意欲などが下がってしまうことにもつながります。

このような不安障害と診断された場合には、抗不安薬が処方されて治療を行うことになるのが一般的です。
しかし、抗不安薬の多くは、副作用によって眠気や健忘、ふらつき、錯乱などがあります。
長期服用が行われていれば、抗不安薬の依存性や離脱症状が現れやすくなります。
また、抗不安薬には耐性という問題もあり、長期服用によって抗不安薬が効きにくくなり用量が増えてしまっている患者さんもいます。

このように治療薬による問題を抱えている不安障害ですが、CBDには不安障害の症状を和らげる報告が数多く存在します。
2011年に行われた社会不安障害を抱える患者に対しての研究でCBDを経口摂取することで不安を軽減した報告や2015年に全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害においてCBDの急性摂取が効果的であった報告もあります。
しかし、影響がなかった報告もあるためまだ不確かな状態とも言えます。

今後さらに研究が進むことでCBDを継続して利用することで、不安が和らぐだけでなく、抗不安薬の減薬によって依存症や離脱症状の軽減につながる可能性があります。

うつ症状に対して効果的に働く可能性がある

うつ病の患者の抑うつやうつ症状の治療には、セロトニンのはたらきを高める抗うつ薬を処方されます。
抗うつ薬は、抑うつやうつ症状になり不足してしまった脳内の神経伝達物質のはたらきを正常に近づける治療のために使用します。

しかし、抗うつ薬は効き目が現れるのに個人差はありますが2週間から1か月かかると言われています。
それだけでなく抗不安薬と同様に副作用も多く、悪心・嘔吐、食欲低下、眠気、口渇、錯乱、不安などがあり、長期服用による依存症や離脱症状も問題になっています。

そのため世界では、悪い影響の少ないCBDがうつ症状のような、抑うつに対しても有効である可能性が注目を集めており、日々研究が行われています。

動物による研究ではありますが、2014年にはCBDが「幸せホルモン」として知られているセロトニンに関係する5-HT1A受容体を活性化することで、抑うつやうつ症状を和らげる可能性が確認され、2018年にはCBDに抗ストレス作用、2019年にはCBDが持続的な抗うつ効果と即効性がある可能性が報告されています。

今後は、人による臨床試験の研究が進行していけば、CBDの抗うつ効果、抗不安効果が証明されることに期待しましょう。

睡眠不足にも期待されている?

CBDにはストレス軽減やリラックスに良いとされており、睡眠をサポートすることにも注目されています。

睡眠不足には、いくつかの種類がありますが、ストレスや緊張による睡眠不足や心の悩みによる睡眠不足の悩みであがるのが、寝つきの悪さや途中で起きてしまう、寝た気がしないような睡眠トラブルになります。
このような場合の睡眠トラブルに、CBDが有効である可能性があります。

研究報告によれば、不眠症の方に高用量のCBDを摂取することで睡眠時間の延長がみられた報告や心的外傷による不安誘発性睡眠障害の方にCBDオイルを使用することで不安と不眠が大幅に軽減された報告があります。
CBDは心をリラックスさせることで不安やうつ症状などの心の悩みを和らげ、緊張をほぐすことによって不眠にも実感がある可能性が示されています。

CBDで心のモヤモヤを予防するならどのタイミングで摂取する?

今までお伝えしてきた内容からCBDが心の悩みに対処できる可能性を期待して取り入れようとお考えの方もいると思います。
ここからは、実際に使う際に気になってくる接種のタイミングに関する内容をお伝えしていきます。

個人によって適切なタイミングが異なる

結論から言うと、個人差が大きいため皆さんの状況に応じて量とタイミングが異なります。

まず大前提として、日本で購入できるCBD製品は医薬品の扱いではなく、サプリメントのような扱いであることを再度認識していただければと思います。
そのため、CBDを摂取するタイミングは、薬のような指定はされておりませんし、指定することはできません。
これはつまり、皆さんの生活スタイルに合わせて調整していいと言う意味でもあります。
そして、皆さんが自分の変化に敏感になってCBDを取り入れる前と後で比べていただくことが大切になっていきます。

薬のように受動的に摂取するのではなく、能動的に自分の感覚を感じながら取り入れる必要があるため、最初は難しく感じるかもしれません。

まだ大麻草についても解明されていないことがあるため、依存性や悪い影響が気になる場合もあると思います。
そんなときにもまずは少量の濃度が薄いものからお試しで少しずつ取り入れるようにしてみましょう。
慣れてきたら自分で実感を感じる量まで増やしていくように調整していきましょう。

不安な気持ちになったときに使う

心の悩みがある方がCBDを取り入れるタイミングとして心のモヤモヤような感情の変化を感じたときに使ってみるのもオススメです。
そんな時の参考程度にはなりますが、ストレスを強く感じたとき、心の不安があると感じるとき、寝起きがだるいなどのようなタイミングで使ってみましょう。
人は意外とその日の天気や時間、環境によって心が変化してしまうこともありますので、生活に取り入れやすいようにアレンジできるくらいが丁度良い使い方だと思います。
他にも仕事場の休憩中や終業後にリフレッシュしたいときに摂取してみることも良いタイミングと言えるでしょう。

CBDを心のモヤモヤを予防する際に摂取するときの注意点は?

ここでは、CBDを取り入れる際の注意事項として既に服用している医薬品との相互作用や過剰摂取による体調の悪化など注意していただきたいことについてお伝えいたします。

医薬品と一緒に摂取する際には注意

意外と盲点にもなりやすいのですがCBDには、医薬品と一緒に摂取すると相互作用を起こす可能性があることが知られています。
相互作用によって、CBDが日常的に服用している医薬品の効果を高めたりします。
その結果、医薬品の副作用を強めたりしてしまうことがあります。
特に知られているのは、シトクロムP450と呼ばれる酵素です。
CBDは、このシトクロムP450のはたらきを抑制してしまうことが知られています。
この酵素は、さまざまな医薬品の分解に関係している酵素であり、特に血圧、血糖値、コレステロールなどの生活習慣病に関係する薬、心の病気に関係する薬に多く存在します。

事前にかかりつけのドクターに相談する

CBDを取り入れたいけど、すでに服用している薬がある場合には必ず医師に相談していただきたいのです。
しかし、日本ではまだCBDに詳しい医師や医療従事者が少ないため、知見のある方に相談しないと意味がありません。

うつ病や不安障害に関連した薬を既に服用している場合には、CBDが薬に影響してしまうと思います。
皆さんがかかりつけにしている精神科や心療内科の主治医にCBDを摂取したい旨を伝え、医師の意見を聞いてから購入するようにしましょう。

過剰摂取しないように気を付ける

CBDを取り入れる際には、どんな理由があっても少量から少しずつ始めることが大切になります。
CBDは中毒性なく比較的安全に使用できますが、個人に合わない量を摂取してしまうと体調に変化が生じることもあります。
ごく稀ではありますが、具体的には、倦怠感、眠気、軟便などです。
CBDを取り入れる際には適量を常に把握する意識で摂取するようにしましょう。

また、CBD製品によっては大麻草の他の成分にアレルギーが出る場合や、そもそもの製品の品質に問題があって体調を崩すことも考えられます。
適切な検査を行った製品を選択していくことも大切になります。

CBDとうつ病に関係についてよくある質問

ここからは、CBDとうつ症状に関連する症状で用いる際によくあがる質問に答えていきます。
こちらの内容も参考にしていただいて、CBDのある生活に役立てていただければと思います。

気だるさを感じるのですがCBDで改善できますか?

CBDは脳や神経に良い影響を与えてくれる可能性がある成分です。
実感は個人差がありますが、気だるさを感じるときに摂取することで数時間後には心に活力をもたらしてくれることが期待できるでしょう。

不安を和らげる可能性はありますか?

実際にいくつかの研究では、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害において実感があったという報告がされています。
まだ研究段階のところも多く個人差があるため誰でも良い影響があるとは言えません。
まずは試しに使ってみることから始めていただき、3ヶ月ほど継続的に使ってみて実感を確かめてみましょう。

うつ症状の改善に繋がるのでしょうか?

CBDのストレス緩和やリラックス効果については、CBDが神経伝達物質のセロトニンに関与して自律神経を整えてくれる可能性が報告されています。
長期的なストレスや不安はうつ病などの精神疾患の発症につながってしまいます。
CBDはストレスケアとして使うことで和らげてくれる可能性があります。
しかし、既に抗うつ薬を摂取している場合には、医薬品とCBDで相互作用が起こる可能性が高いため、事前にCBDに詳しい医師や医療従事者に相談するようにしましょう。

メンタルケアのお供にCBDがある生活を

CBDとうつ症状に関連する心の悩みに関連した内容をお伝えさせていただきました。
CBDを医薬品のように使うことはできませんが、サプリメントのようなメンタルケアの新たな手段として生活に浸透していくのも良いと思います。
皆さんの生活がより豊かになるためにCBDを体験していただければと思います。

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